【哺乳類】これまたかわいい!ゼニガタアザラシについて

ゼニガタアザラシは地味じゃない!笑って学べる日本のモフモフ界の国宝級住人

目次

はじめに:名前がすでに昭和感?

「ゼニガタアザラシ」――なんか時代劇のタイトルみたいな名前ですよね。銭形平次かって。
でもこの動物、地味な名前とは裏腹に、日本にほんのわずかしか残っていない“激レア野生アザラシ”なのです!

見た目はまるっとしててキュート、目がウルウルで、ゴロゴロしてるだけなのにずっと見てられる。
だけど実はその数、たった数百頭。生き残りをかけた“崖っぷちモフモフ”の生き様が、今、問われているのです。

基本情報:海に浮かぶおはぎちゃん

項目内容
学名Phoca vitulina stejnegeri
英名Spotted Seal(ゼニガタアザラシ)
分類ネコ目アザラシ科 ゴマフアザラシ属
出身北太平洋沿岸(日本、ロシア、アラスカなど)
サイズ体長約150〜170cm、体重80〜120kg
特技ごろ寝、ぷかぷか浮遊、つぶらな瞳で人を虜にする
現在地北海道・釧路・襟裳岬周辺(日本では激レア)

ちなみに「ゼニガタ」の名前の由来は、その体にある“斑点模様(=銭形)”。
白地に黒い斑点、またはその逆の個体もおり、まさに天然のドットデザイン。

どこにいる?実は絶滅寸前のご近所アザラシ

日本にいるアザラシといえば、流氷と一緒に来るゴマフアザラシを思い浮かべる人も多いでしょう。でもゼニガタアザラシは違います。

  • 完全に“日本生まれ・日本育ち
  • 一年中、北海道の沿岸に定住
  • 繁殖も子育ても日本の岩場で行う(←ここがレア)

そのため、国内のゼニガタアザラシは日本の自然遺産的存在とされ、1972年からは「天然記念物」にも指定されています。

陸ではぬいぐるみ、海ではロケット

陸にいるときは、まぁ動かない。
ごろーん、ごろーん、だらだら〜。お腹を地面にペタっとつけて、目だけキョロキョロ。まるでアザラシ界のゴロゴロ職人。

でもひとたび海に入れば――

  • 時速20kmのスピードで泳ぐ
  • 呼吸せずに20分以上潜水できる
  • 魚やイカを華麗にキャッチ

そう、海中では超アスリート。あのムチムチボディからは想像できないキレキレの泳ぎを見せてくれます。

ゼニガタ最大の敵、それは「人間の生活」

じつは、ゼニガタアザラシは人間の活動とめちゃくちゃバッティングしてしまう運命にあります。

  • 岩場に寝てたら「観光船」が来る
  • 静かにしてたら「釣り人」が侵入
  • 子育てしてたら「漁業の網」にからまる

その結果――数が激減。

現在の日本の個体数はたった300〜500頭程度。絶滅寸前とはこのこと。保護団体や地元住民による見守りが進められていますが、いまだ危機的状況です。

それでも愛される理由:ゼニガタの魅力がやばい

◎ ビジュアル100点満点

あのまんまるフェイス、ぷにっとした体、じっと見つめる黒い瞳。
何もしてないのに「守りたい…」という気持ちにさせてくる、恐るべきナチュラル兵器。

◎ 和風っぽい佇まい

ゴマフアザラシのような派手さはなく、静かで落ち着いた雰囲気。
それがまた「日本の海辺に合う」と人気に。まるで“岩に宿る神様”。

◎ 子育てが泣けるほど健気

メスは毎年1頭だけを出産。
しかも、岩場で体を張って子どもを守りながら授乳。
その姿は“北海道の母”と呼びたくなるほど。

トリビア:ちょっと自慢できるゼニガタ豆知識

  • 呼吸のとき、鼻が「ハート型」に開く。かわいすぎる。
  • 子どもは「バンダナ」みたいな模様がある個体もいる
  • 鳴き声は意外と甲高く、「キューン!」と鳴く
  • 高い場所によじ登るのが得意。まさかの崖登り・・・
  • 岩場の“お気に入りスポット”をめぐって小競り合いも!かわいい!

日本の今:ゼニガタとの距離感が問われている

現在、北海道ではゼニガタアザラシの生息地保護が進行中。
特定の岩場には「上陸禁止」「騒音禁止」などのルールが設けられています。
また、観光との両立を目指す「アザラシウォッチングツアー」も一部で人気。
望遠鏡やカメラを使って、遠くからそっと見守るスタイルが推奨されています。

まとめ:ゼニガタは日本の宝。見つけたら静かに拍手を

ゼニガタアザラシは、ただのモフモフしたきゃわいい生き物ではありません。

  • 日本の海に根付く唯一のアザラシ
  • ひっそりと暮らす静かなサバイバー
  • 私たちが守らなければならない、すぐそばの奇跡

だからこそ――
「見に行きたい!」ではなく、「そっとしておこう」が合言葉。
遠くから写真を撮るだけでもかわいいものですよ。

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