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🦘 クアッカワラビーの生態とトリビア 🦘
――「世界一幸せそうな動物」として話題の、笑顔の小さな有袋類
クアッカワラビーの基本情報
- 学名:Setonix brachyurus
- 分類:哺乳綱 有袋目 カンガルー科
- 分布:オーストラリア(主にロットネスト島および西オーストラリア沿岸部)
- 体長:40~54cm(尻尾を除く)
- 尾の長さ:25~30cm
- 体重:2.5~5kg程度
- 寿命:野生で約10年、飼育下では15年ほど
- 特徴:丸っこい体、小さな耳、常に“笑っている”ような表情
クアッカワラビーの生態
① 小型カンガルーの仲間
クアッカワラビーは、見た目がとても小柄なカンガルー。
有袋類(赤ちゃんを育てる袋を持つ哺乳類)の仲間で、カンガルーやワラビーの“いとこ”のような存在です。草や葉などの植物を食べ、基本的には夜行性。昼間は茂みなどで休み、夕方から活発に行動します。
② 「世界一幸せそうな動物」と呼ばれる理由
彼らは顔の作りが笑っているように見えることから、“世界一幸せそうな動物”とメディアで紹介され大人気に。
実際に笑っているわけではありませんが、愛嬌たっぷりの表情と人懐っこい性格が人々を惹きつけます。
③ 子育て上手な有袋動物
クアッカワラビーのメスはお腹にある育児嚢(いくじのう)で赤ちゃんを育てます。
生後半年ほどは袋の中で過ごし、徐々に外に出るようになりながらも、まだしばらくは袋に戻ることができます。
④ 群れで暮らすが、あまり争わない
数匹〜十数匹の群れで暮らし、基本的におっとり穏やかな性格。縄張り意識は弱く、他の個体とも比較的協調的に共存します。
クアッカワラビーのトリビア
ロットネスト島の“ロットネスト”の意味は?
ロットネスト島(Rottnest Island)は、オランダの探検家がクアッカワラビーを見て「大きなネズミ(rat)」と勘違いし、「ネズミの巣の島(Rattennest)**と名付けたのが由来です。
実は絶滅危惧種に指定されている
見た目の人気とは裏腹に、クアッカワラビーは絶滅危惧種(IUCNレッドリスト:Vulnerable)に登録されています。
森林破壊や外来種(キツネ・猫など)による捕食で、個体数が減少しています。
撮影禁止区域もある
クアッカワラビーとセルフィーを撮る観光客が急増し、無理な接触やエサやりによる健康被害が問題に。現在は島の一部では餌付けやフラッシュ撮影を禁止しています。
乾燥に強く、水をほとんど飲まない
彼らは非常に効率的に水分を体に取り込む能力を持っており、食べ物からの水分だけで生きられることも。これはオーストラリアの乾燥地域で生きるための進化といえます。
カメラを怖がらない動物!
クアッカワラビーは人間に対する警戒心が非常に薄く、カメラにも興味津々で近づいてくることが多いです。
そのため「動物界のインフルエンサー」と呼ばれることも!
まとめ
クアッカワラビーは、笑っているような表情と人懐っこさで世界中から愛されるオーストラリア固有の有袋類。
その可愛らしさの裏には、乾燥地での生存戦略や絶滅の危機など、知られざる一面がたくさんあります。
ただの「癒し動物」ではなく、環境保全や人と動物の関係性についても考えるきっかけをくれる存在です。
守りたい、その笑顔・・・!