※スホンスホンというのはすっぽんの鳴き声らしいです。スホンスホンと鳴くからすっぽんなんだよと友人が教えてくれました。
川の古代皇帝か水中の隠れた巨人か!?マルスッポンの情報とトリビア
はじめに:「まん丸」じゃない!?名前に騙される巨大スッポン
皆さんは「マルスッポン」という名前を聞いて、どんな動物を想像しますか?
「丸くて小さなスッポン?」と思った方、それは大間違いです!
実はマルスッポンは、最大甲長129cmにもなる、スッポン界の巨大な王者なんです!
初めて実物を見た人は「これ、本当にスッポン?」と目を丸くしてしまうほどの衝撃的なサイズ。
まるで古代の恐竜時代から現代にタイムスリップしてきたような、圧倒的な存在感を放つ水中の帝王です。
その名前の「マル」は決して「丸い」という意味ではなく、実は「円」を意味する学名から来ているという、なんとも紛らわしい由来を持つ神秘的な生き物なのです!
基本情報:プロフィール紹介

- 和名/学名:マルスッポン(円鼈)(Pelochelys cantorii)
- 分類:爬虫綱 カメ目 スッポン科 マルスッポン属
- 原産地:インド、インドネシア(ジャワ島、スマトラ島、ボルネオ島)、カンボジア、タイ、中華人民共和国南部、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ミャンマー
- サイズ:最大甲長129cm、体重80-100kg
- 外見:背甲の表面に突起や皺はなく、滑らか。背甲の色彩は緑褐色や褐色一色で、斑紋は入らない
- 生息地:大型河川、汽水域、まれに海水域
- 別名:カントールマルスッポン、アジアンジャイアントソフトシェルタートル
あだ名:川の古代皇帝、水中の巨人、東南アジアの隠れた王者、生きた化石
趣味:川底での砂潜り、魚の待ち伏せ、日光浴、泥中での瞑想、水中散歩
生態編:川を支配する隠れた巨人
1. 世界最大級のソフトシェルタートル
マルスッポンは、世界最大級のスッポンの一種として君臨しています。
1メートル以上の大きさになることもあり、100年以上生きるものもいるという、まさに長寿の代名詞のような存在。
その巨大な体は、まるで川の底に沈んだ巨大な岩のようで、獲物となる魚たちはその正体に気づくことなく近づいてしまいます。
甲羅は他のカメとは違い、骨質の板がなく革のように柔らかいのが特徴。
この「ソフトシェル」構造により、水中での機動性が格段に向上し、まるで水中を飛ぶような優雅な泳ぎを見せてくれます。
2. 完璧な待ち伏せハンター
食性は動物食傾向の強い雑食で、魚、エビ、カニ、水生昆虫、時には水鳥まで捕食する川の頂点捕食者です。
その狩りのスタイルは、まさに忍者レベルの隠密行動!
川底の泥や砂に身を潜め、長い首だけを水面に出して呼吸をしながら、獲物が近づくのをじっと待ち続けます。
そして獲物が射程距離に入った瞬間、電光石火の速さで首を伸ばし、強力な顎で一撃必殺!
その瞬間の速さは、まるで水中の雷のようです。
3. 淡水から海水まで:驚異の適応力
マルスッポンの最も驚くべき特徴の一つが、その環境適応力です。
大型河川を主なすみかとしながらも、河口部の汽水域や時には海にまで進出することができる、この柔軟性こそがマルスッポンの生存戦略の秘密なのです。
トリビア編:古代から現代へ受け継がれる神秘の能力集
1. 生きた化石の貫禄
マルスッポンは、約2億年前から基本的な体構造を変えていない「生きた化石」の一種です。
恐竜が地球を支配していた時代から、この川の帝王は脈々と生き続けてきました。
現在でも野生では100年以上生きるものもいるという驚異的な長寿を誇り、まさに「時の番人」のような存在感を放っています。
2. 神出鬼没の隠れ名人
マルスッポンは、その巨大な体にもかかわらず、非常に発見が困難な動物として知られています。
普段は川底の泥の中に身を潜めており、地元の漁師でさえ滅多に遭遇することがないほど。
その隠蔽能力の高さから、「川の忍者」とも呼ばれ、研究者たちも生態解明に苦戦しているほどです。
3. 地域によって異なる巨人たち
広域に分布し形態に差異が大きいことから、将来的には細分化される可能性が高いとされており、各地域で微妙に異なる特徴を持つ亜種が存在します。
メコン川流域、ガンジス川流域、東南アジア島嶼部など、それぞれの環境に適応した独自の進化を遂げており、まさに「川ごとの王者」として君臨しています。
4. 極めて希少な遭遇率
カンボジアでは極めて希少な種とされ、野生での目撃例は非常に稀です。
ペットショップでの流通も少なく情報が少ない種類として知られ、その希少性から「川の幻」とも呼ばれています。
一度見つかると地域のニュースになるほどの貴重な存在で、保護活動の象徴的な動物としても注目されています。

5. デリケートな巨人のギャップ
体は巨大でも、実は非常にデリケートな一面も持っています。
突然拒食したり、水質の変化で状態を崩したりと、デリケートな面があるようです。特に幼体のうちはストレスに弱く短命で終わってしまうこともあるようですという、見た目とのギャップが激しい繊細な性格の持ち主。
この「外見は強そうだけど実は繊細」というツンデレ要素も、マルスッポンの魅力の一つなのかもしれません。
研究価値:古代の謎を解き明かす生きた教科書
現在、マルスッポンは以下の分野で重要な研究対象となっています:
- 進化生物学:2億年間の進化の歴史を物語る生きた化石としての価値
- 保全生物学:急速に減少する個体数の保護戦略の確立
- 生態学:大型河川生態系における頂点捕食者の役割の解明
- 比較解剖学:ソフトシェル構造の進化的意義の研究
- 長寿研究:100年以上の寿命を支えるメカニズムの解明
マルスッポンが持つ古代から続く生存戦略は、現代の環境問題や生物多様性保全にとって重要な知見を提供する、まさに「生きた研究室」としての価値を持っています。
まとめ:川底に眠る古代の知恵を持つ静かな巨人
マルスッポンは確かに…最初は「なんだか地味な大きなスッポン」という印象を持たれがちです。
派手な色彩もなく、動きもゆっくりで、普段は川底でじっとしている姿からは、その真の凄さが伝わりにくいかもしれません。
見た目は確かに驚くほど大きくて迫力がありますが、マルスッポンの本当の魅力は、その静かな佇まいの中に秘められた古代の知恵と、現代まで受け継がれてきた生命力の強さにあるのではないでしょうか。

